飼育水の富栄養化について~メダカや観賞魚の飼育で重要な知識~

富栄養化、飼育水の富栄養化・・・アクアリウムをやっているといつかは聞く言葉だと思いますが、水質についてとても大事な言葉なので是非、理解しておきましょう。

飼育水の富栄養化とについてのコンテンツ
1.富栄養化って?
水槽の富栄養化とはどういった環境でしょうか。学術的な見解ではなくアクアリウムなどで聞くざっくりとした意味で説明していきます。
すごく簡単にいってしまえば、水中に流れでた、または、たまった養分を水草が吸収しきれなかったり、水換えにより排出されなかった為、栄養素が過多になってしまった状態のことです。
今回は水槽内や人間の飼育環境内での話をしますが、これは飼育環境でなくてもおこることで、人間が生活で排出する排水や農薬、肥料などにより窒素やリンなどが過剰に排出されることで栄養塩類が増えることでも
富栄養化はおこります。
海の赤潮などもその影響で、富栄養化した状態の海水では、それを養分とする植物性プランクトンが一気に増え、さらにそれを捕食する動物性プランクトンも一気に増えて
しまいます。それらが死ぬとまた窒素やリンが流れだし、さらに水中の植物やプランクトン
が増えてしまうというもので、時には自然の生態系さえも壊してしまう恐ろしいものです。
エサになるプランクトンが殖えるのだからいいことのような気もしますが、結局はバランスが壊れて起こっていることなので良いことなどなにもありません。
それでは人間の観賞魚を飼育する環境下ではどういったことが起こっているのか考えてみましょう。
2.富栄養化のがもたらすもの

屋外でメダカの飼育などをやっている人は特にわかりやすいと思いますが、アオコの発生などは富栄養化によるものです。メダカとグリーンウォーターの密接な関係という記事とも
関係してきます。富栄養化により、水中の養分が過多になると水草による養分の吸収などは追いつかなくなる為、余った養分を利吸収してコケ類、藻類が大繁殖してきます。
屋外のビオトープが緑色になったり、室内の水槽がコケまみれになるのはこういった理由からです。
さらに、悪いことに、富栄養化により大量に発生したプランクトン達は
夜になると光合成をやめ、呼吸をする為、酸素不足を引き起こします。異常に、増殖したプランクトンが死滅すると水底で有機物の酸化的分解というものが進行していく為、さらに溶存酸素量が減少します。
グリーンウォーターで飼育していると夜に水底が酸素不足になるという意見があるのはこういった理由からです。さらには、プランクトンの死骸が水底にたまり、嫌気性微生物が増殖して悪臭を放ったり
硫化水素などを発生させて魚介類などの水棲生物を死滅させる要因になります。また、すべてのグリーンウォーターが害をもたらす、
わけではなく、特によくない、毒性があるという種類のグリーンウォーターはシアノバクテリア(藍藻)が大量発生して緑色に変色したものです。
3.富栄養化を防ぐために
自然環境面での富栄養化を防ぐ為には、生活排水から窒素やリンの排出を減らすというような取り組みがなされています。(まだまだいろいろな取り組みをされていますが)それでは
観賞魚を飼育している環境下ではどういった対策をとればいいのでしょうか。
簡単なところから言えば、まずは水換えです。自然の海や湖、河川などと違い、
水槽の中は水が循環するだけで余分な栄養素が蓄積しやすい状態です。
水換えにより、エサや糞などの排出物、ソイルなどの底床から流出した水草などでは吸収しきれない養分をこまめに捨てることです。
特に水槽(屋外でも)を立ち上げた当初は水中にも、底床にも濾過バクテリアは繁殖していなく、水草も本調子ではありません。そういったことから水を入れ換えて余計な養分を排出する必要があります。
水槽の立ち上げ初期は水ができていない(濾過バクテリアが増えていないのに、ソイルなど底床からどんどん養分が流れでている)為、メダカにしろ、熱帯魚にしろ、シュリンプにしろ生体の導入は避けたほうが
いいでしょう。(コケの繁殖を抑えたりという意味ではヒメタニシ、レッドラムズホーン、石巻貝など生命力の強い貝類を少量入れるのはいいかもしれません)
次に水草を植えることは大変有効です。水草が成長する祭、余分な栄養分を吸収してくれます。その為、成長の早い有茎水草のマツモや、アナカリスなどは水質浄化、維持という意味でも
非常に有効です。水草の繁茂した水槽とベアタンクでは水質悪化の速度が全然違ってくるでしょう。もちろん、水草に養分を吸収してもらう為には元気に成長してもらう必要が有るため、
場合によっては強い照明や、肥料も必要になってきます。ただし、結局はバランスが大事なので照明の当てすぎや、肥料の与え過ぎはコケを繁殖させる原因にもなりますのでそこは
飼育者が経験と試行錯誤しなければいけないところです。あとは、濾過バクテリアをいかに上手く機能させるか、濾過器を使用して適度な水流を作れるかということなどです。
濾過器を使用しない屋外飼育や使用できないボトルアクアリウムなどでは、より富栄養化を食い止めて透明な水を維持するのが困難になります。
その場合は太陽光やライトの照射時間や設置場所、ヒメタニシや二枚貝などの水質を浄化する生物、水草を上手く使うことで水草は成長するけどコケは生えにくいアオコになりにくいような、
最適なバランスを探していくしかありません。ただ、メダカや金魚はグリーンウォーターの種類によってはグリーンウォーター飼育のほうが元気に育てられる場合もあるのでぜひメダカとグリーンウォーターの密接な関係という記事
も合わせてご覧ください。
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4.まとめ
いかがでしたでしょうか?富栄養化を防ぐということが水質を維持し、結局は生体を長生きさせることになるので避けては通れない問題だと思います。 メダカや観賞魚の飼育者様の何かのお役に立てれば幸いです。