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タニシ(たにし)の飼育でメダカの飼育が快適になる理由と大きな効果!(日本のタニシの種類)


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 あなたはタニシという巻貝のことをどれくらい知っていますか?メダカなどの日本の淡水魚を飼育している方やアクアリウムやガーデニングなどが趣味の方は知っているかもしれませんね。 ただ、知らない人はいろいろと損をしているかも知れないのでご紹介させていただきます。タニシとはどんな存在なのかということを知ることによってメダカ飼育や、アクアリウムがより快適になるかもしれませんよ(^^) 記事の下部にネットにまん延するタニシについての勘違いと誤解という項目を追加しました。


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1.タニシの特徴・水合わせ~導入~越冬

 まずは、タニシの大きさですが、一般的にタニシの殻の大きさは1センチから8センチ程度で5センチ以下の種が多いです。 一概にタニシといってもその種類・大きさはいろいろで、日本にいるタニシは主にマルタニシ・オオタニシ・ナガタニシ・ヒメタニシの4種類とされています。 タニシの殻の巻き方の方向は全てのタニシが右巻きですので、この時点でタニシじゃないものもたくさん見分けがつきます。 (メダカ飼育している人でもサカマキガイなどをみてタニシと思っている人もたくさんいるようです)

雌雄異体(オスの個体とメスの個体がいる、雌雄同体だと、オスとメスの区別がない)の卵胎生の貝で南米大陸や南極大陸を除くほとんどの地域の淡水域に生息しており、大きな種類のタニシは淡水域の貝としては大型のものもいます。

タニシを購入してから水槽・飼育容器に導入する際、水合わせは必要なのか?という質問を聞くことがありますが、私の意見はそこまで重要ではないと思いますが、 一応しておいたほうが良いと思います。しばらく別の飼育容器に隔離しておいて元気かどうか確認してみたり、タニシが寄生虫などをもっていないかなど を確かめた方がよいでしょう。

タニシがすぐ死んでしまう場合は水合わせ云々より、 タニシが飼育できる水質にあっていないことが原因でしょう。(特に酸性に偏り気味だと、タニシは殻が溶けやすいので牡蠣殻などで水質調整してあげるのもいいです)

ちゃんと水質があっている場合、タニシは越冬もしてくれます。越冬の時は(水温が下がった時点で)見るからに動きが活発ではなくなり、 ほとんど動かなくなります。タニシが生きているのか死んでいるのか見分けがつきにくくなる場合もありますがちゃんと生きていれば水温が上がってくる時に無事に動き出してくれるはずです。

2.タニシの種類いろいろ

 簡単にですがタニシの種類の見分け方、違いを説明していきます。(多分、実際に見分けるのは難しい・・・)まずはマルタニシですが殻高約4.5cm~6cmで北海道から沖縄まで 日本中に生息しています。(アクアリウム用にホームセンターなどで販売しているところもあるようです)殻表に点刻状彫刻があることで判別できるようですが、実際は次にでてくるオオタニシと 区別するのが難しいです。昔から食用とされていたようですが、こちらの貝は水質の汚濁や乾燥などに 強い種ではなく現在では絶滅危惧種に指定されています。 したがって、タニシの中でもアクアリウムをやっているとみかけることの多い ヒメタニシなどに比べて、 目にする機会が少ない種類のタニシかもしれませんね。

 次にオオタニシですがこちらは殻高約6.5cmと少し大型です。日本中にいるようですが、 このオオタニシの生息地はあまり乾燥して干上がることのない池や沼、湧き水がある所に生息しています。 タニシとしては大型ですのでこちらも昔から食用のタニシとされていました。大型なので、観賞魚用の水槽のお供として存在感も有りすぎてはどうかというところですね。

 次はナガタニシですがこちらは殻高約5cmほどで、 琵琶湖水系の固有種であり、現在は琵琶湖にしか生息していません。 他の種のタニシより殻に緑がかったものが多く螺管の上方がでっぱっている為、長い殻が特徴的な 為、他のタニシとは見分けがつきやすいかもしれません。 現在、琵琶湖にしか生息していない上、その中でも水質が悪化している場所ではナガタニシの数は激減しているようです。 また、この種も比較的、大型な為、食用にされていたようです。

 最期にいよいよ当店でも販売しているヒメタニシですが、殻高約3.5cm程度で日本中に生息していて タニシのかなでも一番、多様な環境に適応でき、水田や池・沼から用水路にまで生息しています。小さい種の為、あまり食用とはされなかったようですが(食べている地方もありますが) 汚染にも比較的強い種で、日本のタニシ類の中でも数が多い種で、生息範囲も広いです。(しかし、生息範囲が広い一方で、一部地域では全く見かけないこともあります。いないところには全然いないようで、当店の近所には全然いませんが) 汚染に強い、数が多い、サイズが大きすぎないとアクアリウムには一番適している種だと私は思います。

3.当店がヒメタニシを扱う理由

▼のんびりと壁面を掃除中のヒメタニシ動画
のんびりヒメタニシ

 当店がタニシの中でもヒメタニシを販売商品としているのには、やはりそれなりの理由があり、 やはりいちばんの理由はタニシの中でも水の汚染に比較的強く、他のタニシよりも丈夫というところが大きいです。 個体数が多いということも繁殖を狙いやすいという理由でとてもよいですし、そのサイズ感も観賞魚水槽に入れても大きすぎないだろうという理由です。

次で説明しますがタニシの特徴である濾過摂食が活きてくるのも ヒメタニシの環境適応能力があってこそだと思います。 繁殖を狙い易い貝といっても卵胎生ですので、よく水槽で嫌われることの多い、スネールと呼ばれる、モノアラガイやサカマキガイなど他の貝に比べれば爆発的な繁殖は考えてにくく、 増えた時の数の調整も容易です。

 タニシを繁殖させたい場合、ヒメタニシは、弱アルカリ性の水質に近づけると 失敗なく繁殖させやすいようです。他の貝類でもよくあることですが極端な酸性に近づいてくると殻が溶けていってしまいます。 先程もいいましたがこれを防ぐためには、カキ殻などを水槽に沈めてあげると水質も改善できヒメタニシも カキ殻を食べて丈夫になります。

4.タニシの水質浄化に最高な食性


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 メダカとの混泳だけに限りませんが、アクアリウムのタンクメイトふさわしいという最大の理由はその食性にあります。普通の多くの淡水貝が水底に溜まったデトリタス(水底に溜まった微生物や微生物の死骸など) を食べるデトリタス食や石や壁面に生えたコケなどを食べる刈り取り食(グレイザーという)食性をもっているのに対し、 タニシはそのほかに濾過摂食という食性をもっています。

これは水中に浮遊する餌になる養分まで摂食するというもので詳しくは濾過摂食についての実験結果をご覧ください。▶ヒメタニシの水質浄化実験!効果絶大~(^^)/

二枚貝など(シジミやドブガイ)も濾過摂食はできるのですが これらの貝は濾過摂食だけで他の摂食方法ができず、長期飼育、繁殖はタニシに比べると非常に困難です。 ヒメタニシは特に飼育・繁殖の簡単さのバランスもいいのでこちらでも説明しています。 ▶ヒメタニシはメダカ水槽の掃除屋さん!(^^)!その驚きの能力とは? まだ、ご覧になっていない方は是非一度読んでみてください。

5.タニシの餌はどうすればいい?

   タニシを飼育すると考えると際、タニシの餌は何を与えればいいかというと、先ほども書きましたがタニシは基本的にいろんなものを食べる雑食で、デトリタス食と刈り取り食という食性がありますので 常にどこかにコケのはえている環境や魚やエビ、微生物の死骸がある、メダカ等、魚類の餌の食べ残しがあるという状態のいずれかにあれば特別にタニシ用に餌を用意することはありません。

実際、私の机上のボトルアクアリウムにもヒメタニシレッドチェリーシュリンプあとは水草を植えているだけというボトルがありますがヒメタニシにもレッドチェリーシュリンプにも何も餌を与えていません。 数ヶ月以上経過していますがボトルの壁面や水草に付着するコケ、枯れた水草などを食べて生活しているようで、水もガラス面もピカピカのまま維持されています。 まさにタニシは水槽のお掃除屋さん、アクアリウムの水質環境を保つメンテナンス職人のような役目を果たしてくれていますね。



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6.サカマキガイ・モノアラガイとの違い・見分け方

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 よく水槽や屋外ビオトープなどで大繁殖している貝がいますが、それはおそらくタニシではありません。タニシも繁殖はするので環境があえば大量に増えるという可能性もありますが、 透明なジェルのようなものに包まれたような卵を生み続け爆発的に増え続ける サカマキガイモノアラガイとは違いタニシは卵胎生の為、小さなタニシの姿の稚貝を 一つづつ産んでいきます。 タニシは産卵をしないので繁殖のスピードがサカマキガイモノアラガイに比べると 格段に遅いです。ネット検索してみると水槽の中でタニシが卵を産んでどんどん増えるという情報も見かけますが、 そもそも卵を産んでいる時点でタニシではありません。

 外見での見分け方も簡単で、まず、よ~く見ないと貝と認識できないほどの大きさだったり、またはちょっとつまんだだけで プチッと潰れるくらい柔らかい貝はタニシではありません。タニシは稚貝の時点で2ミリ~ぐらいの大きさはありますので、よーくみないと確認できないようなサイズの タニシはいません。

 大きくなった場合のサイズも全然違い、成長した成体のタニシは数センチになりますが、 サカマキガイモノアラガイは大きくてもせいぜい1センチ程度の大きさだと思います。そもそも形が全く違いますので 詳しく知りたい、実際に、このタニシと思い込んでいるスネールの写真を見たい方はサカマキガイの記事(駆逐したい!サカマキガイやモノアラガイ(スネール)~基本的な駆除方法~)という記事を 別に書いていますのでご参考にして下さい。

7.タニシはメダカを食べる?

▼もちろん元気なメダカをタニシが食べることなんて無理ですよね(^^♪
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 タニシはメダカを食べる?という聞かれ方をするともちろんメダカを食べます!という答えになりますが、それは ほとんど泳げない・動けないほど、瀕死のメダカか、すでに死んでいるメダカの死骸です。 タニシは水槽の底床の上や壁面をうろうろしてますが、当然、泳いでいる魚を捉えるような術はなく、動けないメダカしか食べることはできません。残酷なようですがタニシに食べられるほど 弱っているメダカはもう助けられるような状態ではありません。

ですので、むしろ生態系としてはタニシがメダカを食べることによって、急激な水質の悪化を防いでいるという言い方もできます。 タニシやエビなどがいない状態では水槽や飼育下で死んだ生体は微生物によって分解されていきますが、その分解をまっていると、 その死骸の形がなくなるまでにどんどん水質を悪化させていってしまいます。

人目につくところで死んだ生体は飼育者が取り除けば良いのかもしれませんがもちろんすべての死骸を 見つけられるというわけでもありません。そういった時の掃除役としてもエビやタニシは大変役に立つ存在ともいえるのです。

またタニシは他にも水槽内の有機物を食べて分解しています。少し前にでてきたデトリタス食と言うやつです。 例えば、メダカのエサの食べ残しや糞、メダカ以外にもエビや昆虫の死骸など様々な有機物を分解し、 微生物が分解しやすいものへと変えていきます。やはり水質の浄化や水質の悪化を抑制する効果もあると言えそうですね。

メダカの卵は食べないのか?ということになれば、それは食べないとは言い切れません。 ただ、食べると言っても落下している卵や受精卵ではない柔らかい卵などで、 水草やメダカの産卵床に登って食べることなどはほぼないでしょう。

8.タニシを採取してみる

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 タニシの生息域は広く、田んぼでも河川でも用水路でも、底砂が土であろうがコンクリートであろうがわりといろいろなところに生息しています。 一部ナガタニシ等、琵琶湖にしか生息していない固有種もいますが、 日本中のいろいろなところで見られます。ただ、それでもいる地域にはたくさんいますが、いない地域にはまったくいません。 当店、大分めだか日和のある大分市佐伯もすごく自然の豊かな田舎ですが近所ではタニシはほとんど見かけません。

 見つけた人はもちろんそのタニシを隔離して泥を吐かせるなどきちんとトリートメントできれば観賞用水槽や 自宅のビオトープで使用することも可能です。ただ、その際に必ず注意しておきたいのがそれが本当にタニシかということです。 素人には川や田んぼにいるものはほとんどタニシと思っている方が多いようですが実際は逆でほとんどタニシではありません。

ジャンボタニシ(ほんとはタニシではない間違って導入・繁殖させると大変なことになる、スクミリンゴガイという外来種の貝)などとは 非常に外見が似ていて、見分けることも難しく間違って自宅の水槽にジャンボタニシを入れてしまった場合、あっという間に水草を食べ尽くされたり、卵を産んで(そもそもタニシは卵を産まないので 卵を産んだらタニシではないですが)除去不能におちいったりという散々な結果にもなりかねませんので十分に注意して下さい。したがってある程度の知識のある方以外は採取したタニシを水槽に入れるのは おすすめはできません。どうしても採取したタニシを使用したい方は、タニシに似たアクアリウムで飼育するには有害な貝がいると いうことも頭に入れておいて、くれぐれも慎重に導入して下さい。



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9.タニシの越冬

 タニシは一年で死んでしまうというわけではなくちゃんとした飼育環境が整っていれば冬も冬眠状態でのりきってくれます。 底床である砂やソイル、土のなかに潜り込んでじっとしています。

一見死んでしまっているようにもみえますが、もちろんちゃんと生きていて暖かくなると活発に活動を始めてくれます。動かなくなったからといって確認もせず捨ててしまうような ことはしないようにしましょう。無加温の屋外でもうまく行けば越冬できるのも日本在来種の貝、タニシならではの強みですね。

10.まとめ

 いかがでしたでしょうか?タニシがメダカ飼育を快適にしてくれる理由というのは水質浄化能力にあるというのを説明してみました。 きらびやかな熱帯魚の世界だと地味な存在になるかもしれませんが、メダカや日本淡水魚の飼育ならより素朴な日本の風景を演出してくれて水質まで 浄化してくれるというメリットがいっぱいです。よかったら是非、タニシを飼育してみてくださいね。

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11.ネットにまん延するタニシについての勘違いと誤解

 ネットでタニシのことを調べようと検索してみた時、間違った検索結果が大量にでてきます。NAVERまとめなんて、タニシや貝類についてよく知らないであろう人が、 間違ったネットの意見をまとめて広めてしまっていて、水草によくくっついてきて勝手に増える貝はタニシなんてことを声たからかにいってしまっています。

さらにたちの悪いことに それが検索上位表示されて誤った情報がさらに拡散されてしまっています。そういった方々は、タニシやモノアラガイやサカマキガイ、石巻貝などの違いが全然わかっていないようで、 一括りにスネールと呼び、迷惑な存在のように紹介されてしまっています。同様のことがyahoo知恵袋(もちろん、よくわかっていてそれはタニシじゃないよと言っている人もたくさんいます)など色々なところでおこっています。

特に多いのがゼリー状の卵を産んでどんどん増えるという誤った紹介です。この記事を読んで頂いた人には何度も言いましたが、タニシは卵胎生で卵を産みませんのでモノアラガイやサカマキガイのような爆殖はしません。一つずつ稚貝を産みます。 完全にタニシとモノアラガイやサカマキガイとの区別がついていないようです。

よほどのことが無い限り水槽の壁一面をタニシがベッタリと埋め尽くすといったようなことはおこりえません。(タニシに最適な環境を作り数ヶ月放っておくとそうなるかもしれませんが) 完全に間違えた知識を自信を持って拡散するのはどうかと思いますね。この記事を読んで頂いた方が正しい知識を身につけていただけると嬉しいです。


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