サカマキガイやモノアラガイ(スネール)とは!~基本的な駆除方法~
メダカや金魚など観賞魚を飼育している人なら100%みたことがるであろうあの貝、サカマキガイやモノアラガイなどのスネール類について考えてみます。※スネールがサカマキガイやモノアラガイの正式名称というわけではありませんが 一般的に水槽の貝で嫌われることの多いスネールというとこの2種類が代表格とも言えるほど多いのでここでは、主にこの2種類をスネール(もちろんスネールとはラムズホーンなどの他の巻貝なども含む意味の場合もありますが)と呼んでいきます。 水槽に貝がわいた!水草に貝がついてきた!と騒がれている貝(スネールと呼ばれて)はほとんどがこのサカマキガイかモノアラガイといってもいいぐらいです。(ラムズホーンやアップルスネールの場合も あるかもしれませんが)
サカマキガイやモノアラガイ(スネール)とは!のコンテンツ
- サカマキガイ(スネール)ってどんな貝?害は?
- サカマキガイ(スネール)の駆除1
- サカマキガイ(スネール)の駆除2、天敵を入れる
- サカマキガイ(スネール)の卵
- スネールが繁殖しやすい水質は?
- タニシとスネールの見分け方、違い
- サカマキガイやモノアラガイを侵入させない水草導入方法
- まとめ
1.サカマキガイ(スネール)ってどんな貝?害は?
富栄養化の進んだ用水路や止水域でよくみられ日本でも全国に分布・生息しています。
溶存酸素の少ない水域でも水面まで登って呼吸口から空気呼吸することができるため、とても生命力が強い貝です。
サカマキガイ自体はほとんどの方は見たことがあると思われるあの透明なゼリー状の卵を至るところに産み付けて水槽や飼育容器内で大繁殖するあの貝です。
このサカマキガイの生態はゼリー状の卵を数十~100個程、1日~2日間隔で産み付け、一年ほどで寿命がきますが
一定の水温があれば一年中、産卵・繁殖を繰り返します。(サカマキガイは雌雄同体で二匹いれば確実に増え、すでに受精を終えていた個体の場合は一匹でも産卵ができるようです)
この卵の数と雌雄同体という特徴かもわかるようにすさまじい繁殖力です。本当にアクアリウム初心者なら、サカマキガイやモノアラガイをはじめて見た時、あ、巻貝がいる、可愛いいな~ぐらいに思うかも
しれませんが、しばらくすればあっという間にアクアリウムの厄介者だということに気づくでしょう。
サカマキガイやサカマキガイの卵は水草に付着したり、容器についてきたり、または水に紛れていたりといろんなルートから混入してきますのでアクアリウムを楽しむ方には永遠の害虫のように
扱われることが多いです。そのサカマキガイの名前の由来は多くの巻き貝と殻の巻いている方向が逆だということからきているようです。
このサカマキガイと同じような性質を持つモノアラガイもそうですが、これらの種類のスネールは特にこれといってメダカや魚に対する害もなく
むしろ苔を食べてくれたりと(大いものでも殻高10ミリ程度の大きさなので本当に微々たるものでしょうが)メリットもあるようです。
ですがメダカや飼育している生体には特に害は無いとしても飼育者にとっての被害は水槽の景観を壊す、強すぎる繁殖力といたるところに産み付けられるゼラチン質・ゼリー状の卵と
その繁殖力そのものではないでしょうか。メダカの卵をサカマキガイやモノアラガイは食べるのですか?
という質問も見かけますがそれについては食べないという意見が多いですし、実際食べていないと思います。(柔らかい無精卵や腐りかけたりカビのはえた卵は食べているかもしれませんが)
なお、サカマキガイとモノアラガイの見分け方はサカマキガイ(左巻き)はモノアラガイ(右巻き)という貝殻の巻き方向で見分けることができますが、
どちらにしろ駆除したいスネールとして繁殖方法や性質は似たようなものです。サカマキガイやモノアラガイは少しでも紛れ込んでしまえば、爆発的に繁殖する可能性が高い厄介な貝(スネール)なのです。
ちなみに、タニシ 卵 透明などで検索してこの記事にたどり着いている人もいるようですが、後でも説明しますが、そもそもタニシは卵を産みません。
2.サカマキガイ(スネール)の駆除1
ネットで検索してみてもサカマキガイ駆除に苦戦しているアクアリストはたくさんいます。スネールホイホイなどの
商品もあるようですが実際の効果は・・・・のようで人の手でこまめに取り除くというのが現状でしょうか。繁殖していた場合は人の手での完全駆除はほとんど不可能な気さえします。
他の駆除方法としては食性のかぶる貝を投入する、
例えばレッドラムズホーンなどを投入すれば生存競争で
レッドラムズホーンが生き残るという意見もあります。
(ただ、そうなるとけっこうレッドラムズホーンも増えますし、
人によってはレッドラムズホーン自体が混入されたくないスネールだという人もいるでしょう)
とりあえず、駆除が面倒な人はそのまま繁殖を気にしないか、混入してしまったら飼育容器を徹底的に洗ってリセットする、
最初から混入しないように徹底的に気をつけるしかないです。
飼育容器ごと塩素消毒、薬剤消毒という方法もありますがこれは全ての生体が死滅しますので飼育環境のリセット時の話しですね。ただし、完全にスネール類を除去・駆除・撲滅するなら、
この消毒という方法に加え+数日間の天日干しなどでスネールもその卵も完全に死滅させるしかないでしょう。
3.サカマキガイ(スネール)の駆除2、天敵を入れる
サカマキガイの駆除に他の魚類を使用する方法ですが貝を食べる定番の熱帯魚トーマシーや、アベニーパファー(淡水フグ)▲などサカマキガイやモノアラガイにとっては天敵となる種類の生体を投入という方法がありますが、
メダカのとの相性という点であまり現実的ではありません。(アベニーパファーをメダカやエビと飼育している方もいますが混泳できるかと言われるともちろん屋内限定で容器の大きさや生体の数によると思われますので
自己責任でお願いします)
他には混泳できないこともないであろう、バジスバジスやスカーレットジェムという熱帯魚もいますが必ず貝を食べてくれるとも限らないしメダカと較べてしまうと、やはり水温や水質など飼育自体に気を使うところがあります。
金魚などでも駆除できますが貝の卵まで1つ残らず、完全に駆除するのは難しいので結局、サカマキガイやモノアラガイなどのスネールを食べる生体を使って完全駆除はするというのは難しいですね。
他には、スネールキラースネール(以降キラースネール)と呼ばれる巻貝もいます。その名のとおり、スネールを殺す、捕食する貝です。
この貝も産卵して繁殖しますが、増えてもサカマキガイやモノアラガイと違い爆発的に増えたりはしませんし、サカマキガイやモノアラガイの天敵として繁殖を緩やかにしたり、数を減少させる効果は
期待できるでしょう。ただし、このキラースネールでサカマキガイやモノアラガイなどのスネールを全滅・全駆除させるのは難しい(繁殖スピードがあまりに早いためと、小さい貝がいろいろなところに潜むため)
ので過度な期待はしないようにしましょう
4.サカマキガイ(スネール)の卵
写真はサカマキガイの卵でもちろん、石巻貝のような白い卵でもなく、レッドラムズホーンなどの卵とも全然違い、
もっと柔らかいゼリー状のものに包まれています。肉眼で発見しづらく、すぐに剥がれますので、除去しようとしても他の水草などに付着して他の水槽にまで生息域を広げていってしまうという厄介なものです。
この見えにくいサカマキガイの卵と性質のせいで完全駆除が難しいといっても過言ではありません。
やはり、スネールの根絶を目指すのであれば、水槽のリセット(薬品であらったり、熱湯消毒したり、数日間乾燥させたり)をするべきでしょう。
これらの卵が水槽内で孵化すると小さな貝が次々と生まれてしまうため、早めに除去することがもっとも重要です。
サカマキガイの卵は産卵後約2週間(水温などで日数はかわりますが)で孵化が始まり。
その後、産まれた稚貝は2ヶ月ほどで性成熟し、さらに卵を産むようになります。アクアリストからすると厄介極まりないですね(T_T)
5.スネールが繁殖しやすい水質は?
スネールというのは、貝というだけあり、生きていくために貝殻を維持する必要があります。水質の富栄養化で餌が豊富にある場合に繁殖しやすいというのは、
なんとなくわかってもらえると思いますが、ほかには弱アルカリ性で硬水の水質の場合にスネールは繁殖しやすい環境になりやすいです。
なぜ、弱アルカリ性の硬水なのかというと、スネールの殻はカルシウムで形成されています。酸性ではスネールの殻は溶けやすく長期間、生存しにくい
環境になります。石の底砂や溶岩石など飾り石を大量に入れている場合は、カルシウムが豊富でアルカリ性に傾き硬度が上がりやすくなる為、貝殻を作るためのカルシウムも
補充されやすくスネールも長生きしやすい環境になってしまいます。その為、スネールを繁殖させにくくするには、弱酸性あたりで水質を保つというのもポイントです。
(逆に貝類を死なせたくない場合は、牡蠣殻などでカルシウムを補うという方法もあります)ただし、水質を変えるというのは、水槽の生体全てに影響を与えるので急激に水質を変化させるのは厳禁です。
6.タニシとスネールの見分け方や違い
ネットでサカマキガイについて質問されている方、回答されている方の答えを見ているとけっこうタニシと勘違いしている方が多いようです。
タニシ 卵、タニシ 駆除というような検索ワードで検索している人も多いようです。タニシとスネールの見分け方といっても、そもそも食性や繁殖方法も見た目も全然違います。見た目でいえば、ここでいうスネールの
サカマキガイやモノアラガイはタニシのようにぐるぐる巻いてないですし、タニシほど大きくはなりません。
食性などの違いでいえばタニシは水中に浮遊している植物プランクトンを濾しとって食べる濾過摂食など、その食性から水質浄化やコケを食べるのに大変役立つ存在です。(実際大分めだか日和でも大人気商品です)
サカマキガイやモノアラガイなどのスネールとはタニシでは見た目も全然違うのですが(▼の画像はヒメタニシです)、
そもそもタニシは卵胎生なので
卵を生んでいる時点でそれはタニシ類ではありません。卵胎生という繁殖方法は卵ではなく稚貝の姿で生まれてきます。(びっくりなことですがこの違いを知らずにタニシを卵を産むスネールとして紹介している大手アクアリウムサイトまであります。)
おそらく本物のタニシを飼育している人は水質浄化やコケの除去、餌の食べ残しの掃除などの目的をもって飼育しているはずなので対して繁殖力の強くないタニシの駆除方法なんか検索しないでしょう。むしろ、タニシを飼育する方法や
繁殖させる方法を探していることのほうが多いでしょう。
他にもタニシと名のつく貝はいますが(ジャンボタニシ)、
正確にはそれらはタニシではないので注意してください。もう一度いいますが、卵を産卵して繁殖するものはタニシではありません。
当店でも販売しているヒメタニシをご参考までに・・・▶ヒメタニシの販売
10匹セット 成体 |
7.サカマキガイやモノアラガイを侵入させない水草導入方法
どうしても水草を水槽に入れる場合に侵入してくるサカマキガイやモノアラガイなどのスネールやその卵ですが、絶対に卵がついていない水草の導入方法もあります。例えば上の画像のような組織培養の水草です。
近年、ある程度大きなアクアリムショップであれば見かける事も多くなってきました。
当店でも取扱(品切れになっている時の方が多いですが)しているのですが、この水草は、無菌状態の寒天培地で水上葉として栽培されているため、スネールやスネールの卵はおろか、
虫や菌が侵入してくる心配もありません。
当然ながら、水草を導入する前に行っていたような他の容器にで数週間様子をみたり、水草その前になどを使って、消毒したりといった事も必要なくなります。普通の水草より少々お値段が張りますが、少々の保存ができることと
無菌状態、スネール類の付着の心配がなく水草を導入できるメリットは大きいと言えるのではないでしょうか。
8.まとめ
ではどうすればいいかというと・・・先ほど書いた、そもそも貝を入れないこと、面倒な場合は気にしないことですね。何も害はありませんので・・・
でも大繁殖すると見た目が気持ち悪いので飼育者の精神衛生上はあまりよくないかもしれませんよね。結局、増えてしまったスネールは下記のような道具で小まめに駆除をするのが
いいのかも知れません(笑)ちなみに自分が屋内飼育でメダカを飼っていてスネールが紛れこんで増えてきたなと思ったら、まず生体以外の
水槽の中身を捨てて水槽自体をリセットします。
もちろん、万全を期す為に熱湯で水槽を洗ったり、底床や水草も新しくしたりとにかく、徹底して侵入させないことを心がけるようにしています。
水草の生い茂る大作レイアウトを作った場合はなどは簡単にリセットをするわけにもいかないと思うので、いかにスネールを水槽に侵入させないかのほうが大事なのかもしれませんね。最後に下に紹介している貝転キャッチャーですが、
役に立つのでそれとなく紹介してますが、コレ、中々の大ヒット商品です。手で駆除するくらいならこっちのほうが全然、楽にスネールの駆除ができますのでおすすめです。安いですし・・・。
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