タニシは簡単に繁殖させることができます。ただし、簡単に爆殖はしません。爆殖する、卵を産みすぎ、増えすぎて困るとネットでみかけるのは、だいたいタニシではありません。なぜなら、本当のタニシは 卵を産まないからです。タニシは旧くから日本にいて、多くの人の目に触れている有益な貝なはずなのに、もっとも勘違いされている貝だとも思います。 今回は、本当の有益な方のタニシを繁殖させる方法や条件について紹介してみます。
タニシを繁殖させる!タニシは卵を産まず稚貝を産む
タニシを繁殖させる前にまず知っておきたいことですが、タニシは卵を産まず、直接、ある程度まで成長した稚貝を出産します。これは、多くの他の貝と違って珍しい卵胎生という繁殖方法です。
冒頭でも述べましたが、卵を産んでどんどん殖える!というのはタニシではなく別の貝です
その件に関してはこちらの記事を参考にしてください。▶駆逐したい!サカマキガイやモノアラガイ(スネール)~基本的な駆除方法~
したがって、爆殖する、増えすぎる巻貝とは違い、たくさん増やすにはちょっと違ったコツがいります。むしろ、稚貝の出産より、タニシの稚貝を育てることに気を使うべきなのかもしれません。
タニシを繁殖させる条件、水温
それではタニシを繁殖させる条件についてふれていきましょう。まず、水温からです。水温は25℃~(30℃を越えるような場合は危険)ぐらいになると活発に稚貝を産み繁殖するようです。 私の経験から単純に繁殖が始まるのは、20℃近辺の水温からでしょうか。やはり、水温的にも春を過ぎてからが繁殖の本番のようですね。 もちろん、熱帯魚水槽やヒーターを入れたメダカ水槽なら大体、タニシが繁殖を始める水温を越えてますのでどんどん繁殖してくれます。
タニシを繁殖させる条件、タニシの餌が豊富にあること
タニシは、よほど大量に過密飼育させてなければ、特別にタニシに餌を与える必要はありません。魚の餌の食べ残しや、沈殿したデトリタス、水中を漂う植物プランクトン、コケなどを食べて勝手に育つからです。
ここが、迷惑な類な貝とは違う、タニシ飼育の最大のメリットでもあります。
ただし、勘違いしてはいけません。タニシは、水が汚れると殖えるということから、汚い水が好きなように思えるかもしれませんが、それは間違いで、グリーンウォーターになったり、
水中や水底に餌となる植物プランクトンなどが増えたときに繁殖しやすいというだけで、アンモニアの増えた水や、通常、生き物が生きていけないような水質環境に近づけば当然、タニシは繁殖どころかどんどん
死んでいきます。言い方は難しいですがあくまで見た目は汚いように見えても水質自体は正常に!ということですね。
タニシを繁殖させる条件、大型魚などとは混泳を避ける
メダカは、問題ありませんが、大型の熱帯魚や貝を食べる熱帯魚などはたくさんいます。タニシの繁殖スピードは、卵を産み付けるスネールの繁殖スピードに比べれば遅いですから、
貝を食べるような魚がいれば、タニシは繁殖どころか食べつくされて全滅する恐れすらあります。
タニシは雌雄異体で成熟した雄雌がいないと繁殖できない為、案外簡単に全滅するのです。同様に本当のタニシを駆除したいと思えば、ある程度大きくなっているタニシだけを駆除すれば、
繁殖ができないので簡単に駆除することができます。
タニシを繁殖させる条件、水質について
先ほどの続きで水質についてもう少しふれてみます。タニシに限らないかもしれませんが、水質が酸性に近づいてくると死んでしまう貝類は多いです。理由は、酸性に近づくことによって貝殻がとけだして
しまうからです。よく牡蠣殻を入れたりしている水槽を見ることがあるかもしれませんが、カキ殻が入っていることで水質はアルカリ性に傾きやすくなります。(酸性になりにくくなる)
水質が中性からアルカリ性に傾いていればタニシの殻を溶かすことはありません。また、カキ殻からタニシが殻を作る、維持するのに必要なカルシウムを摂取することができるので、綺麗な殻のタニシを
繁殖させることができます。たくさんのタニシを大量に入れていたり、成熟したタニシは貝殻の先端が傷んでいたりしますよね。あれは、殻が溶けたり、他のタニシがカルシウムを補給するために違うタニシの殻を舐めた為と言われています。
下の動画では、メダカの稚魚とタニシが同居していますね。タニシは水質維持に高い効果があります。
タニシを繁殖させる条件、水草を繁茂させる
タニシの食性から、枯れて柔らかくなった水草を食べるということもあり、水草が茂っている方がタニシの繁殖には都合がよいです。大きな魚に突かれたりするとタニシの稚貝はわりと簡単に死んでしまうことが
あります。水草を繁茂させることにより、水草がタニシの隠れ家になり、タニシをストレスから守ってくれます。
また、水草の表面につくコケなどもタニシの好物なので綺麗になめとってくれます。水草とタニシはお互いとてもいい関係を築くことができるでしょう。
タニシを繁殖させる条件、多くの魚が生活できる環境を保つ
タニシは、繁殖スピードこそ卵を産む貝には劣りますが、本来、繁殖力は旺盛な貝です。適切に多くの種類の魚が生活できている環境なら勝手に繁殖していることのほうが多いです。(メダカなどは、
タニシより強かったりしますので、メダカが元気なのにタニシだけ死んでしまうことはよくあります。それだけ水質が悪化している、または酸性に近づいているということです)
タニシがどんどん死に始めたら、水質が悪化してきている、放っておくと魚や他の生体にも害がでてくると思ってください。
タニシは、卵の期間がないので水質の悪化(特にアンモニアなどによる)があまりにひどいと繁殖できる成熟した個体が死んでしまうので簡単に全滅します。
タニシが爆殖する!
それでもタニシが爆殖する!といった場合は、ある程度水がグリーンに見えたりして汚いように見えても酸性に偏っていなく、タニシが殖えるための植物プランクトンなどの餌が水中に存在し、さらに、
アンモニアなどのあまり溜まっていないということなので、多くの場合、メダカ等にとっては良い環境だと言えます。
あまりにも、タニシが爆殖すると言う方は成熟した個体のタニシだけでも手でとって駆除してみて下さい。簡単に繁殖を抑えることができます。ただし、タニシが増えることで保たれていた、
水のバランスは崩れてしまうので、タニシが減ると一気にグリーンウォーター化が加速したり、水底にたまった、餌の食べ残しや水草の枯れ葉が腐敗して水質が悪化する可能性はありますので注意して下さい。
タニシを繁殖させてみよう
さて、最後にですが卵を産まない本当のタニシは繁殖させるといろいろとメリットが多いです。水槽の掃除人や管理人といったところでしょうか。ぜひ、繁殖させてみてはいかがでしょうか?
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タニシについて詳しく知りたい方はこちらの記事をごらんください。▶タニシ(たにし)の飼育でメダカの飼育が快適になる理由と大きな効果!
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